NPO法人日本松濤館空手協会本部のホームページです。
理念 / Philosophy
インターネット時代
SNSの発展は、コミュニケーションの利便性を促し、伝達の速度と範囲を飛躍的に向上させましたが、他人と直接接しないで事足りるため、他人の痛みや他人の存在自体を感じ取る感性を失わせつつあります。コミュニケーションを便利にしたことがかえって人間のコミュニケーション能力を退化させる不思議な現象がおきているのが現代です。一体何のためかわからないSNSの誹謗中傷は自殺者まで生み出し、学校や社会でのいじめ問題はますます陰湿でタチの悪いもになっています。多くの嘘や犯罪に巻き込まれたりするのも、インターネットによるバーチャル・コミュニケーションが巻き起こす大きな社会問題となっています。翻って、力と力、カラダとカラダがぶつかり合う「格闘」は言葉によらないコミュニケーションの原点であると言えます。動物は戦いで決着をつけ、子供たちは「取っ組み合い」をします。その勝敗には嘘がなく、潔く、それが今のインターネット時代において、格闘技の人気の秘密でもあるでしょう。道場で練習を続けることは、言葉はなくともお互いの動きを読み合い対応する能力を磨くことであり、そのきっぱりした勝ち負けの潔さを体験することで、言葉にならない信頼感や連帯感が生まれお互いの尊敬が生まれるものと思われます。そのために自己研鑽を怠らず努力することが人格完成すなわち自己実現の道であることを、空手道は、船越義珍先生以来、「五条訓」の中でずっと説き続けています。
空手道とは
空手道は、自分の身体のあらゆる部位を効率的に使って戦う武術です。身体能力を格段に高め、隠れていた素質と可能性を引き出します。また、脳、神経系、血流、内臓を活性化し、健康で機能的な身体を作ることができます。空手の技は、とても美しく機能的でエネルギーに溢れています。子供から高齢者までいつでも始めることができます。
青少年教育
長い人生においては、不公平なこと、理不尽なこと、苦痛や、危機に遭遇することは避けては通れません。子供の時から、これらの困難をしっかり受け止め、それを乗り越える方法を学ぶことが大切です。 空手の厳しい練習は、困難を解決し、個性を伸ばすための有効なプログラムです。道場で得たかけがえのない経験や友情は、やがて将来の誇りとなり財産になると信じています。
生涯武道
空手道のもう一つの大きな特徴は、年をとるにつれて進化し円熟していくことです。人間は歳をとっていくにつれスピードとパワーが落ちてきますが、それと同時に人格と徳と知恵は無限の可能性と成長を約束します。空手道は、やがて戦わずして勝ち、徳で相手を制することができるようになる「道」です。空手道は一生の旅です。
練習
訓練を受けた認定インストラクターによって目的や体質に合った方法で安全に指導を行うため、練習を重ねて黒帯になる頃には、どんな人でも自分自身の身体や心をコントロールする力を身につけ、「自信」という大きな財産を得ることができます。また、空手のバックグラウンドは、他の武道と同様に伝統的な武士道にあります。礼儀正しさ、厳格な自己規律、誠実さ、謙虚さ、尊敬、勤勉、文武両道など、世界中の人が憧れる「サムライ」のように、日々の練習は、強さと優しさを併せ持ち、危機の際に落ち着いて勇敢に対処できる高潔な人格を完成するために行われます。